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ローコード開発はスクラッチ開発の代替になり得るか

―ローコード開発ツールは、浸透しているのか

米ガートナー社は、2024年までに世界のアプリケーションの65%以上がローコード開発基盤で構築されると予測しており、国内企業でもローコード開発ツールの導入が進んでいますが、IT市場全体で考えた場合、まだまだニッチな市場です。

(IDCは国内ITサービス市場の年平均成長率は2.8%、2026年は 6兆7667億円と予測)
(ITRはローコード/ノーコード市場の年平均成長率は24.4%、2025年度は1,539億円と予測)

72.6%の企業が、ローコード/ノーコードプラットフォームを導入済、また導入を計画、評価/検討中ですが、国内ITサービスの市場規模に比べ、ローコード/ノーコードの市場規模はまだまだ小さいというのが現状です。

(国内企業におけるローコード/ノーコードプラットフォームの導入状況 出典https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01909/122400003/)

―スクラッチ開発とローコード開発

国内企業の多くが自社の業務プロセスに合わせ、システムを一から構築してきました。いわゆるスクラッチ開発、かつ「ウォーターフォール」と呼ばれるプロセスです。

この方法の問題点は、企画からリリースまでの時間が長くなりがちで、変化が激しい現在のビジネスニーズやユーザーニーズに追従することが難しいことです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業では、その時々のビジネスニーズやユーザーニーズに合ったシステムを迅速に構築し運用、改善できる体制が必要です。スクラッチ開発・ウォーターフォールでの開発はマッチしません。

また、少子化による労働人口の減少などから、システム開発に携わる技術者の数も不足します。

ビジネススピード・ニーズへの対応や、技術者不足への対応として、ローコード開発ツールによるシステム開発がマッチし、かつ注目されています。

―ローコード開発ツール『GeneXus』

「GeneXusで出来る事と、出来ない事は何ですか?」という質問を受ける事があり、「Javaや.Netで出来る事は基本出来ます」と回答しています。

但し、GeneXusに”向いている開発”と、”向いてない開発”はあります。

ローコード開発ツールを活用し得られるメリットの1つとして「システム開発の生産性向上(効率化と迅速化)」があります。

”向いていない開発”の場合、この生産性向上が十分に享受できません。

既存システムを単純にローコード開発ツールでWEBシステムに作り直すとか、帳票やバッチ処理が多いシステムなどは、効果を体感する事が難しいかもしれません。

「電子帳簿保存法」もあり、帳票を減らす(無くす)。バッチ処理ではなく、即時処理に切り替える。

ビジネスを”変革”する。システムを”変革”する。業務を”変革”する事が必要です。

―ローコード開発ツールを有効に活用するには

ローコード開発ツールを有効に活用する為のキーワードは、”DX(デジタルトランスフォーメーション)”だと個人的に感じています。

DXは、IT企業だけでは、実現ができません。ユーザー主体で進めなければなりません。ユーザー内で、DXを推進できる「デジタル人材」の育成が必要です。

ローコード開発ツールは、「内製化(システムの自社開発)」を進めるにあたって、適したツールです。

内製化の取り組みは、IT企業に「要求・要望を伝えているだけ」また「企画するだけ」、システムを「利用するだけ」に留まっていた人材を、DXを推進していく「デジタル人材」へと転換する助けになるはずです。

それはつまり、IT企業とユーザーとの関係性にも”変革”が必要だということです。

「ユーザーが企画したものを、IT企業がスクラッチ開発でシステムを構築する」という関係ではなく、「一緒にビジネスを推進していく」関係にならないといけないと考えています。

ユーザーが欲しいと思った時、必要と思った時に、サービスを提供していく。ローコード開発ツールで素早く構築し、サービス展開し、システムを使用しながら、ブラッシュアップしていく。

一緒にシステムを成長させていく事が必要だと考えています。

―ローコード開発がスクラッチ開発の代替になり得るか

スクラッチ開発でしか実現出来なかった事や、スクラッチ開発の方が向いている開発について、今後、ローコード開発ツールの発展によって、ローコード開発ツールで実現出来たり、また効果を発揮できる開発を行う事が出来るようになると思います。

そういった意味で、今後さらに、スクラッチ開発の代替方法になり得るものと考えています。

GeneXusはシステムを自動生成する事が出来ますが、それを扱うのは、”人”です。”人”による”変革”が必要です。

前段で、ローコード開発ツールを有効に活用する為のキーワードは、”DX(デジタルトランスフォーメーション)”とお伝えしました。

システムの”変革”、業務の”変革”などなど。ユーザーが”変革”に取り組む事が重要です。

弊社では、GeneXusの特性を理解した技術者が、ツール導入の支援を行っております。また、DXに取り組まれるユーザ―への支援も行っております。

DXやローコード開発ツールに興味がある方、必要性を感じている方、どこから手を付けて良いかわからない方など、ぜひお気軽に弊社にお問い合わせください。

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