「仕事以外の話をしましょう!」で上司と部下は変わったか
「毎週15分上司と部下で対話しましょう」
「それも、仕事以外の話題で対話してください」
全社員にこのように通達が出てから、5ヶ月が経ちました。
―なぜこんなことを始めたのか
社内、特に上司と部下のあいだでのコミュニケーション不足は、コロナ禍で直接の対話が難しくなったなか、より顕在化してきていました。
管理職からは
「若い人とのコミュニケーションが難しい」
「部下の価値観、考え方を理解できない」
部下からは
「上司との間に壁があるように感じる」
「提案や要望をどういうふうに話したらよいのかわからず不安」
という声が聞こえてきました。
そこで、「とにかく対話することからはじめてみましょう」と、冒頭の通達が出されたわけです。
趣味や生活、夢や目標、嬉しかったこと辛かったこと、仕事の悩みなど、何でも話ができ、何でも話を聞いてもらえる関係作り、雰囲気作りに、会社として取り組もうと考えたのです。
―若い社員の感想は?
若い社員に「対話タイム」の感想を聞いてみました。
「メンター役の上司に、対話タイム以外でも相談がしやすくなりました」
「会社の事や上司の性格などが分かってきて、毎回楽しく話せています」
「行動に対してのフィードバックや、悩みについて意見をもらうことができ、参考になります」
―上司の気づきは?
1人のメンター役上司に対し、部下メンバーは3~4人いるので、上司は毎週1時間ほど、対話で時間を費やすことになります。
忙しい上司陣には不評かと思われたのですが…
「業務とは全く関係ない話をすることで想像以上に意外な面を知ることができました。通常の会話も広がって、部下への理解が深まりました」
「在宅勤務が続くと、顔を合わせない時間も多いですが、毎週1回は時間を取ってフェイスtoフェイスで対話することで、在宅勤務のデメリットを埋めることが出来ていると思います」
「昨年中途入社したスタッフと、対話タイムのおかげでお互いの事を知れたことが良かったですね」
「問題点や改善して欲しいことがある場合には、すぐに相談と対処が出来るのが良いです」
「対話タイムを、1対1だけでなくグループで実施したこともあり、スタッフ間の連携や困ったことを助け合う関係性が生まれました」
―終わりに
メンターは1時間、メンバーは15分の時間を、毎週業務外の対話のために割くことは「もったいない」という声も中にはあります。
しかし、コミュニケーションの取りやすい関係を築くことは、業務の成果品質の向上や、組織の生産性の向上にもつながると考えています。
最終的には対話タイムを設けなくても、業務中に何でも話ができ、何でも話を聞いてもらえる雰囲気ができれば、この取組は成功です。
ウイングの文化として、根付いていって欲しいと思います。