はじめに
オフショア開発とは?
オフショア開発とは、海外の企業にソフトウェア開発などを委託する開発手法です。オフショア(Offshore)という単語は、岸(Shore)から離れた(Off)で「海外の、国外の」という意味があります。
一方で、自社内または国内の開発業者に開発を依頼する開発手法はオンショア開発といいます。
DX推進において注目される理由
近年、企業のデジタル化が加速する中、DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性がますます高まっています。しかし、DX推進において、多くの企業は以下のような課題に直面しています。
- IT人材不足: 国内におけるIT人材の不足は深刻化しており、必要なスキルを持つ人材を確保することが困難になっています。
- 開発コストの高騰: 開発ツールのライセンス料や人件費などの開発コストが高騰しており、限られた予算の中で効率的に開発を進めることが難しくなっています。
- 開発スピードの遅延: 市場競争が激化する現代において、迅速な開発スピードで新サービスや新機能をリリースすることが求められています。しかし、人材不足や開発コストの高騰などの課題により、開発スピードが遅延してしまうケースが多くあります。
経済産業省によると、2019年をピークに人口減少等に伴いIT人材は減少傾向に向かうと予想されています。 IT需要の高まりによるIT人材の不足は将来的に40万~80万人とも想定されています。
オフショア開発はこれらの課題を解決するための有効な手段として注目されています。オフショア開発におけるメリットを紹介します。
オフショア開発のメリット
オフショア開発におけるメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
開発コストの削減
海外の開発業者は、人件費が安い国に多く存在します。そのため、国内で開発するよりも大幅にコストを削減することができます。
豊富なIT人材の確保が可能
日本はIT人材不足が深刻化していますが、海外には豊富なIT人材が揃っています。オフショア開発を活用することで、国内では確保が難しいスキルを持つ人材を効率的に確保することができます。
開発スピードの向上
海外の開発業者は、24時間体制で開発を進めることができます。そのため、国内だけで開発するよりも開発スピードを大幅に向上させることができます。
オフショア開発の課題とリスク
オフショア開発はメリットがある一方で、以下のような課題とリスクも存在します。
コミュニケーションの難しさ
言語や文化の違いによるコミュニケーションの難しさは、オフショア開発における最も大きな課題の一つです。
- 具体的な問題点
- 指示が正確に伝わらない
- ミスや誤解が生じやすい
- 意思疎通に時間がかかる
- 文化的な違いによる認識のズレが生じる
文化や習慣の違い
文化や習慣の違いによる誤解やコミュニケーショントラブルが発生する可能性があります。
- 具体的な問題点
- 勤怠時間や休暇制度の違い
- ビジネスにおける礼儀作法の違い
- 価値観や考え方の違い
政治・経済情勢の変化
開発先の国の政治・経済情勢が変化すると、プロジェクトに影響が出る可能性があります。
- 具体的な問題点
- 政治的混乱による開発の遅延
- 経済危機による開発費用の増加
- 為替レートの変動によるコスト増
オフショア開発で成功するためのポイント
オフショア開発で成功するためのポイントはオフショア開発における課題やリスクをきちんと理解し、適切な対策を講じることです。
コミュニケーションの難しさ
オフショア開発では開発者とクライアントが物理的に距離が離れているため、対面でのコミュニケーションが限られます。コミュニケーションが不足することで、開発の遅延や品質の低下、追加コストの発生などの問題を引き起こす可能性が高くなり、またこれらの問題の早期発見が困難になるというデメリットがあります。
また時間や場所の制約などの問題が挙げられますがコミュニケーションツールを活用するなどして綿密なコミュニケーションを心掛けましょう。
・キックオフミーティング: 開発プロジェクトの開始前に、目的、ゴール、仕様などを共有するミーティングを実施する
・定期的な進捗報告: 週次または月次で、開発進捗状況を報告してもらう
・問題発生時の迅速な対応: 問題が発生した場合は、迅速に原因を特定し、解決策を検討する
文化や習慣の違い
文化や習慣の違いによる課題を克服するためには、以下の具体的な対策が有効です。
事前調査と理解
開発業者の出身国や地域に関する文化や習慣を事前に調査し、理解しておくことが重要です。インターネットや書籍、現地の友人などを活用して情報収集を行いましょう。また開発業者に対して、自社の文化や習慣を説明し、理解してもらうように努めましょう。特に、勤怠やコミュニケーション、意思決定などの点について、明確に伝えておくことが重要です。
ルールの明確化
契約書には、契約形態、支払い方法、納期設定、知的財産権、守秘義務など、ビジネス慣習に関する詳細を明記する必要があります。双方が合意した内容を書面に残しておくことで、トラブルを予防することができます。
オフショア開発事例
株式会社ウイングでは、これからの IT 人材不足に対応するべく、ローコードツールの活用促進と、ローコードツール技術者の安定的な育成を目的としてミャンマーを拠点としたオフショア開発体制を確立いたしました。
導入の背景
経済産業省によると、2019 年をピークに人口減少等に伴い IT 人材は減少傾向に向かうと予想されています。その一方で、IT需要の高まりによる IT 人材の不足は将来的に 40 万~80 万人とも想定されています。国内での IT 人材の育成に限界が見える中、オフショア開発はこの問題を解決するための一つの方法ではありますが、今までは、下流工程特にプログラミングに特化した、「安く」「大量のコード生成」を求められる形でした。
そんな中「ローコード開発」は IT 人材不足問題を解決するとして大変注目を集めていますが、実際のシステム開発では、稼働後のメンテナンスや保守にも要員が必要であり、開発自体の要員を抑えられても人材不足の根本的な解決にはなりませんでした。そこで、弊社と GIC ではミャンマーでの IT 人材育成に力を入れることで、各企業様に対して IT 人材を提供し、開発中はもちろん、システム稼働後も安定したメンテナンス・保守作業を継続できる形をとれるのではないかと考え、2023 年 1 月より人材育成及びプロジェクトへの参画を開始いたしました。
詳細は以下よりご確認ください。
https://weing-genexus.com/about/about-myanmar.html
まとめ
オフショア開発は、DX推進に大きく貢献する有効な手段です。メリットとデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、中小企業でもオフショア開発を成功させることができます。DX推進を加速させるために、ぜひ一度、検討してみてはいかがでしょうか。
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